"甄姫の記憶：
花の美しさは何によって決まるか。
鮮やかな色彩か。
艶やかな芳香か。
否、と彼女は言うだろう。
いかに鮮やかに咲こうとも、
いかに艶やかに香ろうとも、
うなだれ、しおれていては意味がない。
険路にあってもすっくと背を伸ばし、
大輪のかんばせを凛と日に向ける。
彼女はきっとそんな風に咲く
「世界は本当に広いですわ」
「あなたと共に見た様々な景色も、
きっとまだその一端…」
「私、わくわくしていますのよ」
「にの先に続く道は、私をもっともっと
大人にしてくれるはず」
「次に会う時は、見違えるのでは
ないかしら」
「 …ふふ、楽しみですわね」

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